会員各位:
2019年7月6日(土)13:00から、東京大学本郷キャンパス(国際学術総合研究棟 14階演習室E)にて「新しい日中関係を考える研究者の会」第4回会員総会が開催されました。
同総会では、菱田雅晴事務局長より、銀行残高、小口現金や未払金などに関する会の財務報告が行われ、会財務が全体として極めて厳しい状況に置かれていることが確認されたほか、天児慧代表幹事より、概要以下の通り、これまでの活動報告、会としての総括、今後の方針提起という三つの側面からの会務報告が行われました。これまでの活動内容を総括した上で「日中関係論壇」へという新たな提案が代表報告の骨子です。
つきましては、この提案に関する多くの会員のみなさんのご意見を賜り、それに基づき、今後の方向といたしたく存じます。誠に恐縮ですが、9月末をめどに本メールへの返信の形で、賛否その他ご意見をお寄せいただければ幸いです。
何卒宜しくお願いいたします。
「新しい日中関係を考える研究者の会」事務局
************************************************************************************************************************
<代表報告>
1.活動報告
2013年7月、「新しい日中関係を考える研究者の会」が発足した。毛里和子前代表幹事の後を引き継ぎ、2015年1月から現在まで、私は4年以上代表幹事を務めてきたが、まだやるべきことはたくさん残されているのではないかと、個人としては悔いが残る。
会の活動を振り返ってみると、交流活動が最も中心的な活動だった。大まかには、中国の研究者との交流、日本国内の中国人研究者との交流、日本国内の政府、メディア、経済界など中国関係者との交流と三つに分類できるが、主としてシンポジウムや講演会の形で、こうした交流を深めながら、中国とどう向き合うかなどの問題について活発な意見交換を行ってきた。
もう一つの重要な活動が、一年半前から行ってきているオーラル・ヒストリーである。複数回お願いした2名の方を含めて、オーラル・ヒストリーの語り手となった延べ人数は12名に上り、その録音テープを起こし、とりまとめ出版する計画を進めている。若い世代に日中関係の歴史を理解してもらうという意味で、重要なこのオーラル・ヒストリーを継続して行きたい。
2.会としての総括
反省を込めて、今現在、会の方針や方向性を全面的に見直す段階に来ていると思われる。世代交代に直面し、活力のある若い研究者に会の運営に加わっていただきたい。去年から議論を続けてきたが、会の体制を一新すべきとの気持ちはなお強い。日中関係において、偏狭なナショナリズムが高揚した2013年という時代背景の下、研究者はなにをすべきか、という問いかけのもとに会が発足した。しかし、今状況は大きく変わり、中国の著しい台頭とともに、日本はどう対応すべきか、という課題が浮上している。日中研究者交流の質的・量的な深化、また日中関係の理論的な深化が求められている。私は何らかの形で会に対する協力的な姿勢を維持しながら、新しい方針の転換を提起したいと考える。
3.今後の方針提起
今後の方針提起について、当面やるべきことは、会の組織改編の方向性を具体化していくことである。毛里和子前代表幹事、山田辰雄前幹事、平野健一郎前幹事、姫田光義監事その他の方々との相談を経てここまで辿り着いた。今、「日中関係論壇」という名称の組織に変えることを考えている。「新しい日中関係を考える研究者の会」という名称はそれなりに意味があり、当時会の発出したアピールは我々の活動の重要な柱になってきた。しかし、日中関係が変化している中で、若い世代の研究者が主体的に参加できる枠組みを構築することが問われている。そのため、「日中関係論壇」という比較的柔軟な表現により、若い世代の研究者に積極的に参加してもらいたいと思う。
次は幹事会の一新ということである。先ほど幹事会で議論を行ったが、私は次の代表幹事というか、代表者として高原明生・現幹事を強く推薦したい。高原さんを中心に次の具体的な組織体制を検討していただきたい。ご理解、ご了承をお願いしたい。もちろん、新体制に対して、私は積極的に協力していきたい。
以上